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『リアリティのダンス』は僕の心の傷に染み渡る"聖水" (ネタバレなし)

『リアリティのダンス』(2013/チリ・フランス/130分)

監督、脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー

製作:ミシェル・セドゥー、モイゼス・コシオ、アレハンドロ・ホドロフスキー

撮影:ジャン=マリー・ドルージュ

衣装:パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー

音楽:アダン・ホドロフスキー

出演:ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、イェレミアス・ハースコヴィッツアレハンドロ・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキー、クリストバル・ホドロフスキー

配給:アップリンク

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「事実」を変えることはできないが、「現実」は事実の捉え方によって変化する。やや強引に言ってしまえば、事実は客観で現実は主観だから。例えば、幼い頃は大きく見えた父の背中が、今は小さく感じるように。

齢85のホドロフスキーは23年ぶりの新作で、現実を思う存分にダンスさせる。幼い頃に感じたままに、あるいはこうなって欲しかったという願望のままに。それは過去の自分を救うと同時に、今の自分を癒す行為とも言える。

自分の物語を自分の家族に演じさせ、家族と一緒に作り上げるという、非常に私的でミニマムな作品であるにも関わらず、このすべてを包み込んでくれるような寛容さと壮大さは何だろうか。

映画を通して、ホドロフスキーは幼い頃の自分に「死んではいけない」「生きなさい」と語りかける。観ているうちに自分の中で生命力が漲ってくるのを感じた。気づけば僕のダンスも始まっていた。映画で描かれるのはホドロフスキー自身を癒すダンスだが、それは僕の心に染み渡る"聖水"でもあったのだ!!!