『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がバカ映画じゃないことが分かるメイキング映像など

また『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の話で恐縮です。

他のこと考えられないから許してください。

f:id:tatshead77:20150701102537j:plain

 

9割実写はマジだったことが分かるメイキング映像

※早速ですがネタバレ注意です。

 このメイキング映像とか見ると、噂通りほとんどCGを使ってないことがよく分かって度肝を抜かれます。映画で観た光景のまんま!

www.youtube.com

 

こっちではCGを使った場面が紹介されているけど、CGの大半は背景。

いや爆発の方は実写なんかい!wとツッコミたくなるところもあるぐらいです。

www.youtube.com

 

ニコラス・ホルトは撮影を振り返って「地面からほんの10センチほどしかないトラックの下にぶら下がっている場面は怖かった」と語っています(※パンフ参照)。

頭をのけぞらせたら、前輪に巻き込まれて首が吹っ飛ぶよってスタントマンにおどされたそう。怖すぎ!

 

イモータン・ジョージ・ミラー監督が語る今作のフェミニズム

先日、TBSラジオライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』では、悪魔主義者・高橋ヨシキさんによるジョージ・ミラー監督のインタビューが放送されました。これもいろいろ面白かったです。

 

全文書き起こしのリンクを貼っておくので、ぜひ読んでみてください。

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル

 

 

 ざっくり内容の紹介をすると、今作のフェミニズムについては、

「男が別の男から女を奪おうとする」というのでは話の意味が全然違ってしまう。

フェミニズム〉はストーリーの構造から生まれてきたものなんだ。

と語っています。つまり、マックスがイモータンと直接戦わないことにもちゃんとした理由があったというわけで、決してフェミニズム映画を狙ったものでもないということ。

パンフ読んでも思ったけど、すべてのものに動機や意味がハッキリしていて本当に驚きます。

 

また、ズームではなくトラックショットを使うことには

カメラを実際に移動させることによって、二次元のスクリーン上に、立体的な感覚が生まれる。

(中略)ワイドレンズを使い、実際に対象に寄って行くことで、観客に、その場に実際にいるような感覚を味わわせることが可能になる。

と語ってらっしゃいます。これも明確な狙いに基づいて演出が施されているということを示していますね。イモータン・ジョー!!

 

ほかにもフュリオサの腕がない理由、"目玉飛び出しカット"について興味深い話がいろいろあります。必読!

 

火炎放射ギターにもちゃんと意味がある!

こっちのインタビューなんかでは、ドゥーフ・ウォリアーのギターに火炎放射がついていることについて「ただ楽器を持っているだけでは戦闘時に役に立たないので」と説明しています。

 

さすが元医者というインテリ監督らしく、こんな馬鹿げたことも、なぜこういう結果に至ったかの理由がきちんと構築されている。

ほんと裏設定がいちいち細かいし、1つ1つにどんだけ神経使ってるんだと圧倒されます。

 

ニュークスは誤訳だったという衝撃事実!

最後に、ニュークスくんについてちょろっと。最初に映画を観た時、ニュークスがナックスって呼ばれていることが不思議で調べてみたら、英語表記は「NUX=ナックス」。

なんでこんなことになってるのかは不明ですが、マックスと見間違うからじゃないか説ってのも目にしました!

ちなみに翻訳家の芝山幹郎さんもハッキリ誤訳と言ってる→

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」とジャンル映画の極限 : 芝山幹郎 娯楽映画 ロスト&ファウンド - 映画.com

 

で、僕はニュークスくんおよびウォー・ボーイズ全員が大好きなんですが、頭が狂っていて死にたい死にたい言ってるから好きなのではなく(そういう人も好きだけど)、めちゃくちゃ幸せそうで楽しそうだから好きです。

 

イモータンと目が合うだけで「きゃーー俺のこと見たよ!ねえ、俺と目が合ったよ!」って大興奮。

槍手隊の戦闘員が見事な爆死を遂げたら、みんなでイェー!よくやった!って本気で言ってるし、嵐の中で仲間たちがゴミのように巻き上げられて死んでいくのを見たニュークスくんは、歴史に残るであろう名ゼリフ「What A Lovely Day!!」とめっちゃ嬉しそうに叫ぶ。

首元にできた2つの腫瘍をラリーとバリーだよってケイパブルに紹介する、かわいいニュークスくんですが、寂しげに彼女を見つめながら車を横倒しにする場面は、1億回観ても泣けます。

イェー!派手に散ったるぜ!と言っていた彼が、生きることに未練を感じながらも宿命を受け入れる名場面。

ニュークスくんにとって、イモータンのために散ることはイコール自分が死後に蘇るためでもあって、実は自分のためでしかありませんでした。

しかし、ここで彼は本当に他者のために命を捧げるわけです。

ヴァルハラで無事蘇って、幸せに暮らしていることを願います。V8!