『マン・ダウン』"衝撃のラスト"というパラドックス
『マン・ダウン 戦士の約束』(2015)
衝撃のラスト7分46秒、あなたの心は"えぐられる"!
これはこの映画のキャッチコピーですが、もうこの手のやり口はやめていただけませんかね…。
"ラストにドンデン返しがある"と紹介することは、その時点でドンデン返しではなくなるというパラドックスを抱えています。
僕はうっかりネタバレを目にしてしまっても、映画が始まってしまえば忘れて熱中してしまうタイプなんですが、この作品は"衝撃のラスト"までのフリがもの凄く地味で退屈なのでツラいです。早く予告編みたいなディストピア展開こないかな、ともどかしかったのが正直なところです。
で、そのラストに関しては感動的で良かったと思うのですが、あまりに"終わりよければすべて良し"に頼り過ぎな作品でした。
アイデア自体は面白いと思うし、メッセージなどに文句をつけるつもりもまったくありません。ちょっとそんな不吉な合言葉はやめなさい!とは思いましたが…。
"終わりよければすべて良し"というのも大事(終わりもダメで全部ダメより遥かにマシなので)だと思いますが、ラスト以外の部分をもっと面白くする余地があったのではないかと残念でなりません。
余談ですが、ロバート・パティンソンの『リメンバー・ミー』は予告編やキャッチコピーが徹底的に管理されていて、よくある青春恋愛映画っぽいものを想像して観に行って衝撃を受けました(しまった!これもパラドックスですね…すみません)。
『マン・ダウン 戦士の約束』2015
原題:Man Down
監督:ディート・モンティエル
原作:ディート・モンティエル
脚本:ディート・モンティエル、アダム・G・サイモン
音楽:クリント・マンセル